作品紹介,  卒業制作展-2020年度

卒業制作展 岩井ゼミ作品紹介

岩井ゼミはアニメーションを表現手法として制作をおこなう学生が集まっています。今年は9名。コロナの影響によりリモートでスタートした一年でしたが、気付けば最後まで全てのゼミをリモートでおこなうという異例の年となりました。このような状況にも関わらず全員が目標を掲げ、目一杯制作に励んだ一年でした。
また個々の制作と並行し、七、八月にはキッコーマンの企業CMをこれまたリモートで制作するという難題に挑戦。リモートでのクライアントワークを見事に一ヶ月半で完成させ納品しました。これも今年のゼミのいい思い出になりました。

〈以下、賞評以外の作品のコメントとなります〉
惜しくも賞を逃しましたがいずれも力作揃いです。
佐藤碧の『夕告に再会』は優れた作画と構成力で安定した力を感じる作品。
渡部ななこの『我ら司令塔』はユニークなキャラクターとコミカルで微笑ましいストーリーの愛すべき作品。
小島望の『暫しのお別れ』は光の演出でキャラクターの心情表現することにトライした作品です。
佐藤あかねの『死神ナース』は母親の仕事の経験をインタビューし、自身のナレーションと共に手描きのアニメーションで構成する実験的な作品、大室みなみの『彼女は夜更けに輝きを運ぶ』は繊細で丁寧な美術と人形が見どころの人形アニメーション作品となっています。
個性溢れるアニメーション9作品、是非ご覧ください。

岩井 天志


『我ら司令塔』 渡部なな子
アニメーション作品 3分54秒

プロポーズするために恋人と待ち合わせる主人公。しかし、渡すはずだった指輪を屋上から落としてしまう。おっちょこちょいな主人公は、はたして無事プロポーズできるのか?!人間の他に、主人公の脳もキャラクターとして登場。様々なハプニングに立ち向かう様子を、人間視点と脳視点で賑やかに描いた。


『夕告に再会』 佐藤碧
アニメーション作品 5分39秒

何かを夢見たとき、必ずそう思えたきっかけである「大切な想い」が誰にしもあったはず。だけどどこかで失敗して、怖くなり、「大切な想い」と自分自身を見失ってしまう人もたくさんいます。この作品も、観た人が忘れかけていた「大切な想い」を思い出したり、自分自身を見つめ直すきっかけとなる作品になれればいいなと思いながら制作しました。


『暫しのお別れ』 小島望
アニメーション作品 6分

少年はあることがきっかけで海洋学者の父と離れ離れになってしまう。父に憧れているが母を心配させるのを恐れ、自分の夢に消極的であった。夏休み前に転校してきた少女と自由工作の制作を通して、自分自身の本心と向き合っていく。夢が叶うその日まで、お互い完成した作品を空に飛ばし、作品たちと暫しの別れを告げた。


『夜明けに彼女は輝きを運ぶ』 大室みなみ
アニメーション作品 10分20秒

変化は怖い。全てが変わってしまうのではないかという恐怖で足がすくむ。しかし、変わらない大切なものが側にあると気付けば、きっと勇気が出せるはず。


『ほつれにふれる』 佐藤夏季
アニメーション作品 4分26秒

私たち生き物は、ただ生きて死んでいく。それだけで本当は充分で、素敵で、輝いている。いろいろな出会いや言葉があり、私はここまで来れました。ありがとう。そしてこれからもよろしくお願いします。次の作品も、自分のペースで創っていきます。


『FRIEND SHIP』 櫻井里穂
アニメーション作品 3分20秒

主人公は、元気のない友人を心配して様子を見に行くと、膝を抱えてうずくまっている姿を見つける。そんな友人に声をかけるが、何を聞いても答えてはくれない。そんな姿を見て、主人公は自分には何ができるかを考える。この作品は、人の優しさや温もりをテーマに、布や粘土などを使って制作した透明人間のコマ撮りアニメーションです。


『結束のファンファーレ』 星﨑遥
アニメーション作品 8分30秒

道端で摘んだ朝顔が泣いている
こんなことになるなんて思っていなかった
彼女も朝顔も大切なものを簡単に手放すわけにはいかない
それぞれの結ばれた絆を描いた物語


『夜道のあかり』 村上千紘
アニメーション作品 6分35秒

それぞれ悩みを抱えている、2人の少女のお話です。「悩んでいる時は、誰かに伝えて受け取ってもらうことで、心が軽くなる」ということを、寒さや暖かさに置き換えて表現しています。


『死神ナース』 佐藤あかね
アニメーション作品 2分36秒

看護師をしている母の体験談を元にアニメーションを制作。抽象表現を活かし、体験の中で浮かび上がる感情と葛藤する様子を描き出した。日常・非日常的な体験を通して、言葉にできない感情を見る側へと問いかける。

この作品は展示会場のみでの公開となります。